欺の上級者ってなんやねん?って思う人もいるでしょう。旅人は絶対引っかかることもないので、ネタとして楽しんでください。
前回の旅人編でもいいましたが、かつて私は5万元(約100万円)を失う詐欺に遭遇しました。それも2015年の話なので、手口は変わってると思いますが、ネット上のフィッシング詐欺という意味では今でも主流の詐欺なので中国で生活してる人は注意した方がいいかもしれません。
それはある日、お昼寝をし過ぎた午後5時頃に掛かってきた電話がきっかけでした。
寝ぼけ眼で電話に出ると、相手は京東のサービスセンターを名乗っていました。今思えば、この寝ぼけて、頭の働かないタイミングで掛けてきた相手に運気が向いていたような気がします。ちなみに京東とは、天猫(Tmall)に並ぶ中国大手のECサイトで、個人的には重宝しておりました。
相手方によると、先日注文した靴下50元分のシステムエラーがあるので、返品手続きを一回する必要があるとのことでした。そういう訳で、相手方から返品手続き用のURLが送信されてきました。返品要のURLを開くと、そこには京東のサイトがありました。勿論これは相手の詐欺グループが作り上げた本物そっくりのサイトです。
電話で誘導されているので、深く考える暇も与えられず、返品手続きに入りました。返品に銀行の暗証番号の記入欄があったので、寝ぼけてなかったら手続きを戸惑ったかもしれません。
しかし、電話での対応があまりに親切で気も細かに対応してくれるので、さすが中国の大手ECサイトは凄いなと感心しながら手続きしてしまいました。
1回クリックすると、2万5000元(約50万元)が口座から無くなります。
中国では一般的に口座のお金に変動があると、銀行に登録してある電話番号にショートメールで通知が来ますし、モバイルバンク・ネットバングが主流なので随時残高が確認可能です。
ん、おかしいぞ?(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
と普通は思います。しかし、詐欺グループは電話で淡々と状況を説明してくれます。ショートメールでも「1次的に現金を凍結しました」と送信されてきます。よく考えれば返品手続きで現金凍結ってなんやねんと思いますが、親切な対応と相手の言い分を私は受け入れてしまいます。
画面には返品失敗の文字が依然として表示されています。
詐欺グループはかなり作り込んでるので、一回の返品(送金)が完了しても、返品失敗が表示され、何回か送金させる手口なのでしょう。
詐欺グループもまだいけると踏んだのかもう一回手続きするように言ってきます。そして2回目の返品手続き(計100万円の送金)が完了した所で、相手も満足したのか返品手続きが完了しました。
私は眠かったのでその後また寝てしまいました。【寝】*-ω-)ノ
*ちなみに送金後すぐに(10分後ぐらいに)詐欺だと気づいて自分の口座を凍結したらその送金は無効になるらしいです!
そして、晩御飯を食べて夜寝ようとします。しかし、なぜか寝れません。午後5時過ぎに昼寝してればそりゃ寝られないだろうという冷静なつっこみはお断りです。
頭は大丈夫だと思いこもうとしてますが、体が動物的感覚で何かを察知しています。
人は絶対的なピンチに陥った際に、自分だけは大丈夫という冷静さを保つための物質が体内で分泌されるとか聞いたことありますが、きっとその状況でしょう。
とりあえず、寝れないので夜中3時に公安に届け出た所、詐欺だと発覚します。
警察もある程度、捜査はしてくれたようですが、この5万元は返ってきませんでした。私も特に警察に期待してるわけでもありません。
翌日、友人に慰められマカオに行き、カジノで500元(約8000円)ほど負けましたが、1万円なんか紙切れに等しい感覚です。
詐欺に遭遇した当時は、落ち込みましたが、今となっては、良い経験をしたと考えなおすようになりました。そもそも銀行にお金を預けるという生産性のない投資の仕方がまず間違っているんだと思います。
そして私は、、、、
1、世界旅行を始めた
どうせ銀行に預けていても盗まれるんだったら、もっと社会の役に立つ使い方をしようと世界中を旅するようになりました。盗まれるよりかは、月の給料が1万円に満たない発展途上国の人たちに消費した方が随分と社会貢献してる気がします。
2、好きなことにお金を使い始めた
バドミントンが好きで、とりあえずバドには惜しみなく使うようになりました。とりあえず東南アジア諸国では、バドしてる人を見つけては一緒に打ってきました。
話題がそれましたね。
この京東のフィッシング詐欺について調べてみたら、何百万元と被害が出てので、私もその中に貢献してるようです。一応、日本領事館にも連絡して、現地の日本人には注意勧告がなされました。
ちなみに最近の詐欺は、Wechatでの支払機能を利用してるものが多いようです。
例えば①
Wechatの「グループチャット」や「近くにいる人」で知らない人から連絡が来て送金をせがまれたりします。私もベトナムでいきなり「兄弟、助けてくれ」という連絡がありました。ベトナムに兄弟はいないので華麗にスルーしましたけどね。
例えば②
中国ではモーメンツ(Facebookの投稿みたいなもの)で、自分の職業紹介や営業をする人が多いので、モーメンツを見ればその人が何をしてる人か大体分かります。その人が日本産の化粧品を転売してるのをみて連絡を取り、日本にいるように装い、帰国時に商品を買っていくからと言って送金させ、音信不通になるケース等です。中国国内における個人の転売は、物凄い数いるので、類似する被害に遭ってる人は結構いるようです。
まあ、なかなか遭遇するのは難しいと思いますけど、中国のECサイトで買い物する人や、Wechatを多用してる人は注意した方がいいかもしれません。
もう一つ詐欺を見分ける方法があるとしたら、親切すぎる対応をして来る人には裏があると思った方がいいかもしれません。
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