タクラマカン砂漠のある輪台県に行くためウルムチの駅から深夜列車に乗って10時間、楽しい列車旅、、、になるはずだったのに、乗車前に事件が発生します。
ネット予約した列車のチケットを受け取る場合、外国籍の人もしくは旧式の身分証カードしかない人は、 チケットを窓口でしか受け取ることができません。いつも通りチケット受け取りの窓口に並びます。身分証チェックが何回もされることを前提に、発車2時間前に駅に来たため、余裕だろうと考えていました。
が、このウルムチ駅、ネットで予約をしないで販売員に時間を聞きながら購入するという人が無駄に多いんです。6月下旬というのは夏休みではありませんが、高校・大学の卒業生が新疆に遊びに来てる時期でもあります。
ネット上で予約がいっぱいになってるのを知らずに買いに来た人が「今日のチケットくれ。え、ない?じゃあ、明日のだ。え、明日もない?うーん、じゃあ明後日の」というようなやり取りを延々と繰り返してます。 最初の1時間は気にせず待っていますが、列は半分ぐらいしか進んでいません。チケットの受け取りは発車20分前に終了します。
ここに来て私も焦ります。
無駄に時間がかかっている人に「早くしろ」と急かします。列の進み具合は、時間ギリギリという感じでしょうか。これに乗れなかったらカシュガル行の列車は数日間満席なので、ウルムチ滞在をかなり延長することになります。
周りを見回すと焦っているのは、私と漢族のおっちゃんだけです。
ウイグル人はのんびりさんしかいないのか?!
最近は、列の割り込みは随分減ったのですが、真っ当な割り込みが増えてる気がします。列車の時間が近いから先に行かせてくれと全員に声をかけて先に割り込む人です。実際の発車時間を聞いてみると、自分より遅い人が多いので、「お前遅いやないか!ならべや!」って突っ込んで抑え込みましょう。
出発時間20分前、ギリギリ列車のチケットを受け取り、乗車ホームに急ぎます。チケットはもらえても、何度も荷物検査や、身分証チェックがあるので、安心はできません。ホームについたのは、出発時間10分前、ホームで私が見たのは「列車遅延1時間」の文字でした(;?д` ) トホホ。最終的に列車は2時間ぐらい遅延しましたが、なんとか出発することができました。

列車は無事、輪台県に到着です。タクラマカン砂漠から一番近い県です。とりあえず、駅を出ようとすると、荷物チェックと身分証チェックが入ります。
駅出るのになぜ身分チェックが必要なのかは謎です。パスポートを見せると、「外国人は登録手続きをしなさい」と言われます。そして、降車客が出ていく中、一人残され、インタビューが始まります。
警察もどき駅員「ここへはどういった目的で?」
私「旅行ですよ。砂漠へ行くんです」
警察もどき駅員「いつまで」
私「明日の夜の列車で、カシュガル行きます」
というようなやり取りを終え、私は解放されます。まあ、普通の旅行客はこんな田舎来ないでしょうしね。なんか確認が必要なんでしょう。手続きが終わる頃には、他の降車客は、タクシー乗っていなくなってしまいます。仕方ないので一人でタクシー乗って、中心部まで移動します。
町の中心で降りて、外国人受け入れ可能のホテルを探します。というのも、この町、小さすぎてゲストハウスがないんです。幸いにもホテルらしきものはちらほらあるので、入ってみます。この町のホテル全ての入口に、荷物検査機が導入されてるので、荷物を通し、ホテルマンに外国人が宿泊可能か確認します。そして、断られます。次のホテルも断られます。百度マップに出てくる100元以下のホテルは大体拒否されます。そして声をそろえて「三宝ホテルへいけ」と言ってくるのです。 三宝ホテルはこの町で値段高め(とはいえ、2000円程度で泊まれます)で、唯一外国人旅客者の受け入れ可能なホテルなのでしょう。渋々、三宝ホテルへ行きチェックインします。


軽く町を探索し、砂漠の行き方をチェックした後、カフェともバーとも言えない、ビールとつまみしかない飲食店で飲んでいると、ホテルから電話があります。
ホテル従業員「今どちらにいますか?警察の方があなたの事情聴取をしたいとホテルに来ています」
私「面倒なので、断れます?」
ホテル従業員「帰らないということですか?では、行先を教えてください」
恐らくこれは延々と警察に追いかけ回されると判断し、戻ることにしました。
ホテルに戻ると、強面の兄ちゃんが、私を待ち構えていました。私に警察手帳を見せ「数分話を聞きたい」と言ってきます。自ら警察官としての証明書を見せてきたあたり、警察の制服を着て荷物・身分チェックをしているまがい物とは、違った風格を醸し出しています。道端で身分チェックをしてたり、見張りをしてる多くの警察は、ウイグル人を雇って、警察の服を着させて仕事をさせているだけで、明確には警察とは言えないと思います。
マジの警察「ここへはどういった目的で?」
私「旅行ですよ。砂漠へ行くんです」
マジの警察「いつまで」
私「明日の夜の列車で、カシュガル行きます」
え、でも聞いてることは、まがいもの警察と同じやんけ(((c=(゚ロ゚;q。

特に怪しい人物とは判断されなかったのか、部屋に戻っていいと言われます。最後に私が一つ質問します。
私「ここに来る外国人はそんなに少ないんですか?」
マジの警察「いいえ、我々は多くの外国人客を受け入れている」
警察官が帰った後、ホテルマンに同じ質問をしてみました。すると返答は一語一句変わらず「いいえ、我々は多くの外国人客を受け入れている」というものでした。
どうやらこの町全体が外国人に対するチェックがかなり厳格で、外国人と接触の可能性がある人には、対応マニュアルがあるものと思われます。なにより二人とも棒読みの返答でしたから。この県には国家機密でもあるんでしょうか?不思議です。
あとは、何事もなく眠ることができました。なんて長い1日だ。
翌日、砂漠へ行った後、次の都市に行くため駅に戻るとまた同じ質問をされます。
警察もどき駅員「ここへはどういった目的で?」
私「・・・・・・」
私「昨日答えたじゃねえか!忘れたのか!」
警察もどき駅員「いつから滞在してるんだ?」
私「だから昨日からだって!お前昨日もいただろうが!」
なんか悪く思ったのか、ウイグル人の警察もどきさんが、フルーツを私におすそ分けしてきました。ウイグルの人は根はいい人ばかりです。恐るべし輪台県、、、砂漠の話は次の日記にて。
宿泊施設
名称 | 値段(1元=16円) | 住所 |
三宝酒店 | 100-180元 | http://j.map.baidu.com/qNKxP |
移動ルート
ルート | メソッド | 値段(1元=16円) | 時間 | 到着場所 |
ウルムチ駅
ウルムチ南駅 |
列車 | 93~251元 | 10H | 輪台駅 |
※一日3本しかありません。チケット受け取りは物凄い並ぶので前日ぐらいに受け取っておくのがいいと思います。
1か月旅ルート
香港-広州–長沙–鳳凰–重慶–成都–蘭州–西寧–張掖–トルファン–ウルムチ-タクラマカン砂漠-カシュガル。